第10章 裁判と約束
更紗はそんな2人を見ながら、これからどうすればいいのかを考えていた。
いつの間にか小さくなった禰豆子は泣き止んだものの、未だに更紗に甘え正座をしている足の上に頭を預けてゴロゴロしているし、柱ならばいざ知らず甲にすらなっていない一般剣士の自分がお館様と同じ場所に居座るのは居心地がよくない。
「炭治郎は柱達への口の利き方に気を付けること、実弥と小芭内は年下の子をあまりいじめないようにね。では、ここからは鬼舞辻無惨についての話しをしよう。杏寿郎、実弥、更紗、こちらへ戻ってきてくれるかな?」
更紗にとって願ってもない言葉をお館様からかけてもらえ、杏寿郎と笑顔で顔を見合わせて立ち上がろうとするが……
「むーー!!」
禰豆子からまるで行くなというような声が上がってしまった。
「どうしましょう……禰豆子さん、私はあちらへ行かなくてはいけないので、木箱の中に入ってもらえますか?それなら一緒に」
と宥めていると、ひょいと突然禰豆子の体が浮かび上がった。
「てめぇ、鬼の分際でいつまでもそいつにくっついてんじゃねぇ!てめぇのせいで動けないだろうがァ!大人しく箱ん中入っとけ!」