第24章 凄惨と合流
鬼舞辻を倒せる可能性の高い柱や剣士を生かすため、恐怖を感じるはずなのに自らの体を張って次々と死地へと飛び込んで行く。
「やめて……間に合わないんです!私の力でも死んでしまったら間に合わない!」
聞こえているはずなのだ。
更紗の声は絶対に届いている。何人かの剣士がこちらを振り返り笑みを向けてきたから。
それでも剣士たちは鬼舞辻へと挑んでは散っていく。
癒した腕に刃を滑らせ治癒を試みるも鬼舞辻の周りに倒れている剣士たちには何も反応を示してくれない。
唯一鬼舞辻から離れていた更紗を庇った圭太には反応し、傷を癒していった。
「圭太さん!大丈夫ですか?!……え?毒?!く、薬を」
先ほど本拠地内で鬼舞辻と戦闘を繰り広げて傷を負った柱たちと同じように皮膚が盛り上がって肌が変色し始めた。
しかしそれは先ほどよりも遥かに容態が悪く、このままだと死んでしまうと確信できるものだ。
涙で視界が揺れ、悲しみから手が震える。
その手を叱責して薬を掴み取り圭太の口の中へ強制的に流し込み様子を見るも、少し緩和した程度で完全回復には至らない。
「このままじゃ……あ!待って!」
鬼舞辻へ挑もうと背後から飛び出してきた1人の剣士の足首を全力の握力で掴み、文字通り強制的に地面へ貼り付けた。