第24章 凄惨と合流
さほど他の柱たちとは離されていなかったようで、ほんの少し足を動かせば鬼舞辻の姿を確認出来た。
先ほどと変わらない姿で……背中から9本の触手を生やし、義勇や炭治郎、開戦時に顔を見ただけだった蜜璃と小芭内と激しい戦闘を繰り広げている。
「私は攻撃範囲外で皆さんの傷を癒してから戦闘に加わります!」
「そうしてくれ!」
短いやり取りの間に視線を交じらせ僅かに微笑み合うと、2人はそれぞれがするべき事をする為の場所へと移動した。
「まずは炭治郎さんを」
右目を失明しているであろう炭治郎の傷を自らの腕を切って癒し、その後は全員の体に膜を纏わせてから更紗は日輪刀を鞘から抜き出し、闘いが繰り広げられている場へと身を躍らせたが……
「月神っ!」
聞き覚えるある声が更紗の鼓膜を刺激し、それと同時に前から後ろへと強い衝撃が走った。
そして次に更紗の五感を……視覚を赤い色が覆う。
それが何か、声の主が誰なのか……検討はついている。
あまりに悲しい現実を確認したくなかったが、胸元にある温かい何かに視線を落とした。
「圭太さん!どうして……何が……」
自分の目の前には背中から血を流し、既に瀕死の状態の圭太の姿。
何が起こったのか分からず視線を前に向けると、一般の剣士たちが日輪刀を手に捨て身で鬼舞辻に向かっていく姿が映った。