第24章 凄惨と合流
義勇と炭治郎が鬼舞辻に遭遇したと鎹鴉から伝えられた。
しかし、そこへの道のりを鎹鴉や鎹雀にいくら案内をしてもらっても道が強制的に切り替わるので、いつまで経っても目的の場所へ辿り着かない。
鬼舞辻も夜明けまでに剣士たちを葬り去りたくて焦っているだろうが、こちらも体力に限界があるので焦りは積もるばかりだ。
「雑魚ばっかじゃねぇか!全然あの野郎に近付けねぇぞ!」
伊之助が苛々するのも仕方がない。
この場の全員が少なからず同じような感情を抱いているのだ。
「困りましたね。このままだと鬼舞辻に辿り着く前に体力が削られてしまいます。かと言って足を止めるわけにもいきませんし……」
更紗自身は栄養剤や蓄積分がなくならない限り動き続けられるが他の皆はそうもいかない。
素の体力が高い杏寿郎でもこのまま走り続ければ消耗するし、しのぶやカナヲ、村田は既に額に汗を滲ませている。
傷が癒えた善逸も自力で走ってはいるものの涙目だ。
「このまま動き続けるぞ。本拠地内の振動が今までと違ってきている。愈史郎殿が鳴女を追い詰めているに違いない。もうすぐ鬼舞辻に辿り着く……若しくはこの本拠地ごと愈史郎殿が地上へ押し上げてくれるはずだ」