第24章 凄惨と合流
「僕も兄上と更紗さんを見送ったので、心配で不安でも最後まで見届けます!聞くところによると残っているのは鳴女という鬼と鬼舞辻無惨だけです。鬼舞辻無惨をどうにか地上に追い詰められるといいのですが……」
未だに鬼舞辻が地上に排出されたという情報は入って来ていないので、まず間違いなく本拠地内に潜伏し、柱を含めた鬼殺隊全ての人間を葬り去る算段を立てているに違いない。
「虫のように箒で追い出すわけにもいかないし……あんなに強い鬼をどうやって地上に追い出すのか見当もつかないわ。本拠地の上の地面を崩せたらいいけど、またすぐに塞がれそうだし」
「箒で……い、今可能な手段としましては、愈史郎さんと言う方が本拠地内を動かしている鳴女を操って本拠地内ごと地上に押し上げることですね。そうすれば鬼舞辻無惨も自ずと排出されるはずですし」
現実的に考えると千寿郎の考えが1番有効だ。
ちょうど愈史郎は鳴女とせめぎ合っているので、愈史郎が押し勝てばその有効な手段が実現するだろう。
「……涼平さんじゃないけど、それはもう祈るしかないわね。愈史郎さんが鳴女に押し勝つことを」
紙を拾い集める様子を聞きながら、2人は愈史郎が鳴女に押し勝つようにと心から願った。