第24章 凄惨と合流
その大切な人である天元と槇寿郎は胃を押えてげっそりとした表情をしている。
「旦那んとこの将来の嫁……やっぱり死にかけてんじゃねぇか。どうにかしてくれよ、胃に穴空いちまう……派手にな」
「い、いや。あの子を操縦するのは杏寿郎の役目だ。それに宇髄もあの子を育てたのだろう?俺より扱いに長けているのではないか?俺にはどうすることも出来ん、瑠火とは全く別の人種だ。俺の手に負える女子ではない」
酷い言われようだ。
しかし柱や玄弥を救うために鬼舞辻を挑発し突っ込み、挙句の果てに脇腹に穴を空けたのだから……教育の押し付けあいをされても仕方ないだろう。
「俺様には嫁が3人いるから手一杯だっつの。姫さんは傍から愛でるくらいが丁度いい……考えてもみろよ、あそこに落とされて何度危機に晒されたよ?障子とか壁とか合わせれば片手じゃ足りねぇんだぞ。まだ鬼舞辻残ってるってのに……不安しかねぇわ」
「……やめてくれ、本当に胃に穴が空きそうだ。だが調理器具より重い物を持ったことのなかった子が、ここまで鬼と渡り合えるとは。杏寿郎やお前たちの指導の賜だな。杏寿郎の継子たちの成長も目を見張るものがある」
更紗の問題行動はさて置き、継子たちも確実に力を付けてそれぞれが上弦の鬼を倒すのに一役買っている。