第24章 凄惨と合流
更紗の名前が耀哉様から出た途端、張り詰めていた空気がほんの少し和らぎ3人の口元は穏やかな弧を描いた。
それを感じ取った耀哉様は笑顔のまま無言でその訳を問う。
「月神様は鬼舞辻無惨と遭遇した際に無茶をなされて、煉獄様を始めとした柱4名からお叱りを受けることが約束されましたよ。無事に戻った暁には叱ってくださいと……ご本人様からの申し出もございました」
なんと……こんな事まで情報として伝えられたらしい。
本人の罷り知らぬところで叱られることを知られてしまっている。
「あの子は相変わらずだね。あの杏寿郎も手を焼くほどのお転婆さんだから、皆はあの子の行動を予測したり止めたりは難しいかもしれないね。けれど……上弦の鬼を四体も倒して柱全員が存命なのは更紗によるものも大きいから、あまりきつく叱られることはないだろう……やっと。やっとここまで来れた」
長い長い鬼狩りの歴史に幕を下ろせるかもしれない、鬼に怯えることなく過ごせる日々が近いかもしれない。
耀哉様には闘う力はないけれど、誰よりも強く願った。
自分の大切な子供たちが無事に帰り、大切な人と穏やかな日々を過ごすことが出来ますように……と。