第24章 凄惨と合流
だからと言ってただ嘆き悲しんでも死んでしまった者はもう戻って来ない。
今は涙を流すより先にしなければならない事が山ほどある。
「はい!ありがとうございます!私たちもここへ押し出されてきたので他の皆さんの居場所は分かりませんが……神久夜さんや要さんなら」
辺りを見回し2羽の姿を探すもそれらしき姿が見当たらず、眉を下げて杏寿郎の顔を仰ぎ見た。
「彼らは不死川たちと共にいるはずだから心配無用だ。ここには胡蝶たちの鴉がいるので彼らに導いてもらおう。疲れているところ申し訳ないが案内願えるだろうか?」
数羽の鴉と雀の1羽がもちろんだと言うように一声上げ、この場の全員を先導するために羽を羽ばたかせ先の見えない不気味な廊下の移動を開始した。
「行くか。まずは鬼舞辻を太陽の当たる地上へ追い出す算段を立てなくてはな!必ず何か手はあるはずだ、諦めず全力を尽くすぞ!」
現実的に難しいかもしれないが、杏寿郎が何か手はあると言えば何となくそんな気がしてくるから不思議である。
上弦の鬼も恐らくあと鳴女と呼ばれる鬼のみだ。
ほんの少しであっても鬼殺隊側が有利と思われる現在、皆は鬼舞辻を目指して走り出した。