第24章 凄惨と合流
そんな2人としのぶとカナヲ、そしてここまで善逸を運んでくれた村田を労うように白銀の膜がふわりと被せられ、血鬼術でひび割れてしまった善逸の顔の傷を含め全員の傷が綺麗に癒されていった。
「善逸さん、伊之助さん、村田さん……ご無事で良かったです。それに……しのぶさん、カナヲさん……申し訳ございませんでした。私の注意力が足りなかったばかりに」
自分の傷が癒される様を興味深そうに眺める3人がいる一方、しのぶとカナヲは顔を見合せた後、更紗へと歩み寄ってニコリと笑顔を向けてくれる。
「四方八方を塞がれては注意力も何も関係なくなります。更紗ちゃんも無事で私たちも無事なのですから、そんな悲しい顔をしないでください。貴女がここに到着するまで……たくさんの剣士たちを助けてくれたのでしょう?感謝こそすれ謝罪されることは何一つないですよ」
この本拠地に叩き落とされてから早数刻が経過していた。
その間に救えた命もあるが、救えなかった命の方が遥かに多い。
柱たちは持ち前の力量や並外れた精神力、体力のお陰で間に合わせることが出来たものの、先ほど鬼舞辻に回復の糧にと奪われてしまった命を救うことは叶わなかった。