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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第23章 上弦と力


「自分が死んだら意味ないでしょ?ましてやまだ赤子だったその子が、親もなく生き残れる可能性は無に等しい。結果的に運良く生きてるけど……あれを藁にもすがる思いって言うんだろうね!可哀想、縋ったところで救われるとは限らないのに。本当、人間ってつくづく馬鹿な生き物だよ。全く理解できないね」

鬼だからと言う問題以前に、生き物なら持ち合わせている感情が欠落しているように思える発言だ。
自分もかつては人間だったクセに理解できないと言う。

「俺の母親を不幸みたいに言うんじゃねぇ!勝手にテメェの価値観で決めつけんなぁ!」

失われていた伊之助の覇気は鬼の心無い発言による怒りから舞い戻り、鍔迫り合いをしている二人の間へと乱入して鬼の頸の皮を斬り裂いた。

「おっと、危ない危ない。て言うか俺は君たちじゃなくて更紗ちゃんと一つになりたいんだ。邪魔しないでよ」

すっと頸を一撫ですると、通常の日輪刀で斬られただけの傷は即座に再生され、跡形もなく消え去る。
そして杏寿郎の日輪刀が離れたことをいいことに、鬼はその隙をついて1人人形と戦闘を繰り広げている更紗の方へ跳躍しようと足を踏ん張るが、その途中でそれは阻止された。
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