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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第23章 上弦と力


2人がここまで仇討ちにこだわる理由、それはカナエというしのぶの実姉の存在である。
しのぶが柱となる前、花柱として鬼殺隊に属していた。
穏やかで優しく、柔らかな笑みを絶やさない人だったが、ある日突然鬼に殺されてしまったのだ。
その鬼というのが先ほどまで対峙していた上弦の弐……つまりカナエ は実の妹であるしのぶや、温かな居場所を与えてもらったカナヲにとってかけがえのない存在であり、あの鬼は地の果てまでも追いかけ葬り去りたい存在である。

「ねぇ、カナヲ。髪の色や瞳の色、背の高さなどは違いますが、姉さんと更紗ちゃんって雰囲気が似ていると思いませんか?」

そう言われカナヲは今もカナエの仇の鬼と闘っていると思われる更紗を思い浮かべ、悲しみに沈んでいた表情を笑みで彩らせた。

「似てるかもしれません。ふわふわしたところとか……」

「でしょう?だからね、更紗ちゃんがあの鬼の最期を見届けてくれれば、私の悔しさも少し紛れるんです。私が残してきた置き土産を有効に使ってくだされば尚のことよしです」

少し……いや、かなり黒い笑顔がしのぶの顔いっぱいに広がる。
置き土産が何か知っているカナヲは、目の前の義姉のように黒い笑顔で顔を彩ることは出来ないが、彩りたい気持ちは痛いほどに理解出来た。
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