第23章 上弦と力
「いえ、鬼に遭遇すればもう一般剣士も柱も関係ありません。現に更紗さんは一般剣士の時に上弦の参、陸と闘っています。参は倒すまでに至りませんでしたが、陸は宇髄さんや炭治郎さんたちと討伐しています」
初めて耳にした事実に紗那はもちろん、今まで祈るように両手を握り締めて2人のやり取りを静かに見守っていた涼平までもが、目が零れ落ちるのではと心配になるほどに見開いている。
「更紗が?あの子はそんなに強かったのかい?上弦の鬼を相手に勝ったのか?」
「はい。100年以上誰も倒せなかった上弦の鬼を柱1人、一般剣士の4人で倒されました。それに兄上や更紗さんは痣者です。お2人の首筋から額にかけて痣が出ていたのを覚えていますか?」
改めて千寿郎にそう言われ、更紗や杏寿郎が数ヶ月前に手合わせをした時のことを思い出した。
出ていた時はあれは何かと気になっていたが、手合わせが終わってすぐにそれは綺麗さっぱり消え去っていたので、2人ともそれを綺麗さっぱり忘れて聞けずに今まで来てしまったのだ。
「覚えてるわ!確か更紗ちゃんは薄紫から橙に、杏寿郎君は橙から赤の模様が出てたわね?でもそれが鬼に対して何か関係あるの?」