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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第21章 秘密と葛藤


更紗が怒らない代わりにしのぶが静かに怒りを顕にしてしまった。
珠世も口には出ていないが、愈史郎を咎める視線を向けている。

「珠世様、ほんの戯れです!」

なんと戯れだったらしい。
本当に戯れで言った言葉ではないと3人とも理解しているので、しのぶも珠世もため息をつき、更紗は苦笑いを零した。

「ごめんなさいね、更紗ちゃん。愈史郎さん口はこんなですが研究に関しては優秀で、手伝っていただいてすごく助かっているんです。仲良くとまでは難しいかもしれませんが、この四人で研究を進めたいと思っています」

確かに口は悪いが珠世を見つめる瞳はキラキラ輝いており、根っから悪い人……鬼には見えないので、そのうち上手くやれればいいなと思いながら更紗は笑顔で頷く。

「私が1番若輩者なのは事実ですので、しのぶさんはお気になさらないでください!1番遅く到着したくせにあれですが……さっそく力を容器に溜め込んでいってもよろしいですか?体の中に蓄積されて、少し苦しくなってきました」

苦しさを感じさせない笑顔の更紗とは反対に、しのぶや珠世の表情が強ばった。

「昨日、随分吐き出したはずですが……もう体に蓄積したのですか?」
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