第21章 秘密と葛藤
翌朝、更紗は杏寿郎や炭治郎、剣士たちに見送られ、煉獄家を少し早めに出発した。
と言うのも、途中の街で少し寄り道をして菓子や化粧品を買っていくといいよと杏寿郎が言ってくれたからである。
しかもその分のお小遣いまで更紗に渡しているので、初めてのお使いに子供を送り出す親のようになってしまっている。
「お菓子何にしましょう?ん?でも珠世様はお菓子食べれないのに買っていっても大丈夫なのでしょうか……お茶なら大丈夫、かな?」
こうして急遽茶葉を購入し、化粧品が売られている店へと移動したのだが……
「何を買えばいいのか分かりません。どうしよう、店員さんにお聞きするのも少し恥ずかしいですし……やっぱり出直して」
「あら?月神さん、こんな所で会うなんて奇遇だね!どうしたの?欲しいものが見つからない?」
正しく天からの助け……裁縫係の鈴村が笑顔で歩み寄ってきてくれた。
どうやら鈴村も化粧品を求めてここまでやって来ていたようだ。
「鈴村さん!実はお化粧品を買いに来たのですが、自分で買ったこともしたこともなくて……何を買えばいいのか分からないのです。もしお時間がありましたら、その……教えていただけませんか?」