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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第20章 柱稽古とお館様


かなり無茶な言葉だと分かってはいるが、男所帯で長年過ごして来た槇寿郎には年頃の女子を慰める方法は分からない。
最愛の妻が元気な頃はそれなりに受け答えは出来ていたはずだが、何分目の前の少女は妻とは違うところの方が多い。

つまり無茶苦茶理論でしか慰め方が分からないのだ。

そんな悲惨な状況下、準備を整え終えた杏寿郎がある程度この状況を想定しながらやってきた。

「む……やはり聞こえていましたか。元はと言えば俺が焚き付けたことなので、どうかご容赦ください。更紗、おいで」

盆を持っていたままの状態で固まっていた更紗は、杏寿郎に呼ばれるままそちらへ歩み寄り、シュンと項垂れてしまった。

「落ち込むことはない!少なくとも俺はそうやって意思表示してくれるようになった事が何より嬉しい。そして内容はどうあれ、父上や千寿郎もそれは同じ気持ちだ。だから笑ってくれ!更紗の笑顔がなければ、2人も戸惑ってしまうぞ?」

戸惑うという言葉に更紗はハッとして、慌てて滲んでいた涙を拭い取って杏寿郎を見つめた後、2人へと笑顔で向き直る。

「気を遣わせてしまい申し訳ございませんでした!あの、これからは時と場所を考えますので、今後もよろしくお願いします!」
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