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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第20章 柱稽古とお館様


戦闘以外であまり見ない更紗の大きな声や勢いに杏寿郎は目を見張るが、すぐにそれは柔らかく細められて穏やかな笑みへと変化していった。

心做しか頬が少し赤らんでいるように見える。

「流石にそこまで褒められては俺も恥ずかしくなるだろう?だが更紗は自分が思っているより素敵な女性だ」

珍しく頬を赤く染めていたのにすでにそれはなりを潜めてしまい、もう少し見ていたかったと呑気に考えていた更紗だったが、代わりに見せられた妖艶な笑みに体が硬直した。

「皆の前で口付けをして、誰も更紗に手を出せぬようにしたいくらいだ」

2人がいる場所は居間から死角になっているので見せつけることは出来ないが、妖艶な笑みを浮かべたままの杏寿郎の顔が更紗へと近付いていく。
いつも通りなら顔を真っ赤にして顔を覆い隠すはずの更紗はきょとんと小首を傾げるだけ。

「私には杏寿郎君しか見えていないので、そんな心配はしなくて大丈夫ですよ?それでも心配なら……」

自分だけが近付けていたはずだったが、急にその速度が上がったかと思うと……杏寿郎の唇に温かく柔らかいものが僅かに触れた。

何が起こったかの確認など、すぐ目の前にある更紗の顔を見れば一目瞭然。
恥ずかしがり屋ですぐ頬を薄紅色に染めるくせに、たまに大胆な行動をする更紗が自ら唇を合わせてきたのだ。
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