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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第20章 柱稽古とお館様


ある時を境に一気に静まり返るという微妙な雰囲気が続いたままその日の稽古は終了した。

その理由を無一郎や他の剣士に聞いても教えてもらえず、痒い所に手が届かない感じがもう1つ増えた更紗だが、どうやっても教えて貰えないものは仕方ないと諦め、目を覚まし大人しく待機していた神久夜を連れて道場を後にした。

「要さんは無事に杏寿郎君の元へ辿り着いたでしょうか?」

独り言のような小さな更紗の声に神久夜は首を傾げた。

「辿り着いテイルト思イマスガ……ドウカサレマシタカ?お元気がナイヨウニ見えマス」

「元気は元気なのですが、気になることが2つ出てきたのに何も判明しないままなんです。どう頭を悩ませても分からないので、気持ちを切り替えて夜と明日からの稽古に取り組まなくてはいけませんね」

「……ソウデスネ!応援シテオリマス!」

可愛らしい声援を受けた更紗は気になる事柄を頭の隅へ追いやり、言葉通り気持ちを切り替えそのままの足で台所へと向かった。

(スミマセン……2つトモ知ってイマスガ、ドチラモ秘密ダト言われてイマスノデ)

まさか神久夜が更紗の頭を悩ませていた2つの事柄を知っているとはつゆ知らず、更紗は機嫌よく廊下を歩いていく。
……1つは誰かが口を滑らせない限り知ることもないし知らないままの方が幸せだろう。
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