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月夜の軌跡【鬼滅の刃】

第20章 柱稽古とお館様


腕の中で更紗に背を撫でられ微睡んでいる要は夢現になりながら何度か小さく頷いた。

鬼殺隊に入るまで鴉と触れ合ったことがなかったが、何とも感情表現が豊かな鎹鴉たちに更紗は虜となり、こうして気持ちよさそうに背を撫でられている子たちが可愛く笑みが零れる。

「急ぎませんのでゆっくりで大丈夫ですよ。目の鬼は恐らく攻撃手段を持っていませんが、得体の知れないものなのでお気をつけ下さい。何か新たに判明しましたらご連絡致します。と」

「ウム!ツギノハシラノヤシキニトウチャクスルマデゴエイヲマカサレテイルノデ、ソレガスミシダイキョウジュロウヘツタエル」

心配してだけでなく護衛要員としても要を飛ばしてくれていたらしい。
ちょうど神久夜は杏寿郎の元へ飛んでもらってそばにおらず心細かったので、更紗は頼もしい護衛である要を抱える腕の力をキュッと強め、その小さな体の温かさにホッと息をついた。

「ありがとうございます。神久夜さんがいない今、頼れるのは要さんだけです。護衛、よろしくお願いしますね!」

護衛のはずの要を腕で抱きかかえながら更紗は山を下り、無一郎の屋敷へ到着するのは昼を過ぎた頃になる。
その間に新たに杏寿郎から護衛の任を任された神久夜も合流し、賑やかでほのぼのとした旅路となった。
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