第4章 ギフト
元々眼力の強い人だと思っていたけど、こうして距離を詰められると、その焔の様な瞳に吸い込まれそうになる。
「あ、あの、煉獄さん・・・」
「何だろうか!」
今や煉獄さんとの距離は、抱擁する一歩手前な位に近かった。
というか、いつの間にか煉獄さんの手は私の背中と頬に触れていて、羞恥からじわじわと顔に熱が籠っていく。
いつも思うけど、この人パーソナルスペースがやたらと狭くないだろうか。
「ち、近いです・・・!」
「む?」
目を反らして顔を下に向けた私は、ぐいーっと煉獄さんの胸を押した。
素直に身を引いてくれた煉獄さんにホッとするも、顔の火照りが収まらない。
「ええと、その、時戻り、ですけど・・・どうして煉獄さんは、私がやったって思うんですか?」
実際のところ煉獄さんに言われなければ、時戻りが起きているだなんて私は気付けなかった。
このちょっとファンタジーが入った世界の人間である煉獄さんの方が可能性有りそう。
「もしかしたら私じゃなくて、煉獄さん御自身がやってる可能性だって・・・」
「それは無いな!」