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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《1》

第55章 全中予選





「帝光決勝進出ー!」

「やっぱり今年も全中出場は帝光かー!?」


整列をした後戻ってきた大輝と13番、14番の子はガッツポーズをしたり嬉しそうにしながら戻ってくるが、緑間と紫原はいつも通りである

内心嬉しいのかは分からないが素直に喜べばいいのにと、思いながら彼らにタオルを渡した

視界の端で和成が泣いているのが映る
そりゃあ泣いてしまうだろう、彼の部活がこれで終わってしまったんだから


『…控室戻るよ!準備して!』

「えー早くなーい?」

『お菓子あるから』

「えー!戻ろ~すぐ戻る~」

「反省点は控室戻ってからでいいね、準備できたら行こうか」

「…反省点あんのかよ」

「オレはないのだよ。シュートはすべて決まったからな」

「そんなことないさ、緑間にも思うところはあるよ」


勝ったんだから喜ばせてあげてもいいじゃないかと征十郎に視線を送るが、確かにまだ決勝が残っているしそもそも全中も残っている

気を抜いて負けてしまってOBから非難を浴びるのは困ると頬をポリポリ掻く


『まあいっか』

「どうしたんスか?」

『なんでもないよー』


その時はあたしが責任を負ってOB達にごめんなさいすればいい

無敗の彼らも負けを経験するいい機会になるかもしれないと、知識にはないことを想像した

試合中ずっと突っ立ったままとかじゃなければ大丈夫だろうと、忘れ物がないかを確認しベンチを後にしようとすると体育館に声が響き渡った

何事かと振り返ると、観客席に向かって和成を筆頭に選手たちが頭を下げている


「…すげえな」

『ウチも負けるか優勝したらやるよ』

「どっちにしろやるんじゃないスか」


その光景が未来の知識と重なる

和成にただ一言、「お疲れ様」と言いたかったがそんな雰囲気ではなさそうなので一足早く体育館を後にした





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