第27章 艷仁知をしよう
それから数日後、見事に抽選に外れてしまったあたしのクラスは代わりの案を出してもらおうと再び話し合うことになる
『ってことで抽選から落ちちゃったので、代わりの案を出してくれませんか?』
なぜ仕切っているのか、それは学級委員の子はかなりあの男装の金髪の君を気に入っていたらしくアフタヌーンティーが出来ないショックで保健室に行ってしまったそう
代わりに頼まれてしまったので前に立ち、仕切ることになってしまった
「ごめん。もう衣装とか用意しちゃった」
『じゃあ用意した衣装が使えて飲食系じゃないやつでお願いしまーす』
ざわつく教室。いったい何が出来るのかと席が近い者同士で話しているのを教壇から眺めていると、どこからか縁日という単語が聞こえてくる
「…じゃあ縁日やろうぜ!」
「「…縁日?」」
誰かからの発言に、コスプレもとい仮装してのヨーヨー釣りや輪投げなどなかなか面白そうな光景が浮かぶ
みんながうんうん頷き、まさに満場一致とはこのことなのだろうと黒板に縁日と記入しようと背を向けた
『じゃあ縁日で…「そんな普通のじゃつまらないからさ、当て字にしよ!」』
「炎尓血とかカッコよくね!?」
「いや煙煮致だろ!」
中2病か何かなんだろうか、いや確かに中学2年生なんだけどもと振り返ると、それぞれ自分のノートに大きく縁日を当て字にした文字を書いている状況だった。大変面白い
「艶仁知~艶やかなる新しき愛と知性をあなたに~」
「何それカッコいい」
「将校様にピッタリ!」
「おう!それで決定だ!」
そうして決まったあたし達のクラスの出し物はきっと無事に終わるのだろうと信じながら、どこかからする嫌な予感に気づかないフリをして用紙に縁日と記入した