第22章 黄色の入部
「黒子、黄瀬」
考えていると緑間が涼太とテツヤに話しかける
彼らの様子で大体内容は想像がつくが、せっかくなら聞いとくかとその場にとどまることにした
「…は!?2軍の試合に同伴!?このちんちくりんとっスか!?なんでっスか!?」
「保険なのだよ。2軍3軍の試合でも1軍選手を入れるのがウチの伝統だ
覚えておけ、帝光の唯一絶対の理念。それは勝つことだ。負けは論外、内容うんぬんの話はまず勝ってからだ
あと桃井、今回の帯同マネージャーはお前だそうだ」
「あ、はーい」
「よろしくお願いします。桃井さん」
「わぁっっ!!」
驚くさつきはきっと本当に同行が彼でいいのか心配しているのだろう
余計な心配だとわかっているあたしは何も考えず、分かりやすくテツヤに本当に大丈夫かと言う目を向ける涼太を見ていた
「名前」
『なんじゃ征十郎』
「本当に良かったのかい」
『うん』
「そうか」
そして訪れる2軍の練習試合当日、見に行くことはできないが流れは分かる
帝光が負けているところ涼太を投入し、相手のプレーがファウルと言っても過言ではないプレーだったので上手く点差を縮められず、そこにテツヤを投入しなんとか逆転勝利する
そこで彼のプレーを見た涼太もさつきも、テツヤのすごさは普通のメンバーとは違うことが分かるだろう
『でもやっぱ、ちょっとは行きたかったかな』
自分が行きたいという気持ちよりも涼太とさつきがテツヤのプレーを見る方が大切だ
明日の涼太のテツヤへの接し方の変わりようが楽しみだなと考えながら、不在にしている2人の備考欄に2軍練習試合帯同と記入した