第22章 黄色の入部
「おお」
「おらっ」
「灰崎!!」
「……っ」
そんな練習から数日後、同じポジションだとしても練習中に灰崎はヤケに涼太につっかかり、喧嘩を売りに行く
「相変わらず弱ぇーなァリョータ君よォ」
「ああ?」
「なんかオレ、間違ったこと言ったかよ。文句あんならせめて1回くらいオレに勝ってから言えよ」
「このっ…」
涼太のシュートを灰崎が横からブロックする。それだけなら良いのだが灰崎が黄瀬に暴言吐くし蹴るわで毎回喧嘩になる
灰崎が練習に来る度に起こるんだよなぁ…仲良くすれば良いのにと思うが、今のところは無理だろう
「うわー、やめら2人共!」
「2年止めるの手伝えー」
「相変わらず仲悪いねーあの2人」
「1対1以降1段となのだよまったく…早く来い」
「仲悪いだけならまだしも、毎回モメんなよ」
止めに入らず何かを考えている様子の征十郎を見つめる。彼が何を考えているのかは分からないが、悪いことを考えていることはないだろう
騒がしい彼らのやり取りが落ち着き練習も終了した後、そう言えばレギュラーになったのにテツヤのデータが足りていないことに気が付く
『テツヤ、データ取りたいんだけど、測らせてもらっていいかな』
「練習の後はやめてもらえませんか…」
『じゃあ土曜日の練習のときにでやる?もしくは、合宿中かな?』
「合宿ですか?」
『5月に合宿があるからその時でも良いよ。かなり疲れると思うけど』
「…じゃあ土曜日でお願いします」
自分で言っときながらそう言えば合宿かとスケジュールを思い出す
去年は選ばれなかったので一緒に行かなかったが、今年は帯同に選ばれたので一緒に合宿に行く予定だ
遊びではないが少し楽しみにしている自分が居る