第15章 交流戦
テツヤの本領発揮ができたあの試合から少し経ち、練習を始めようとしている時のこと
「…え?僕まだユニフォームもらえてなかったんですか?」
キョトンとした黒子の顔、1軍がみなユニフォームをもらえると思っていたのだろうか
突如始まった知っているやり取りに驚いていると、固まっていた青峰がテツヤにチョップを決める
「あいたっ」
「そうかすまない。黒子には伝えてなかったね
この前の交流戦はあえて1年だけで戦うのが目的だったから着れたんだよ」
「テツって何気にいい性格してるよな…オレらだって入ってそんなスグもらってねーよ」
「とは言え実力は見せることはできたし、結果コーチから何も言われなかった
とりあえず1軍として認められたとは思っていいよ」
青峰に叩かれた場所から煙か湯気か分からないが何かが頭から出ているテツヤは、その場所を押さえながら少し痛みによる涙目になっていた
そこから練習が始まって、スリーメンで紫原と緑間と組んでいるテツヤは
「…あ」
レイアップシュートをバッチリ外した
「だからと言って下手でもいいと言うわけではないが」
「黒ちんマジメにやってるー?」
「お前のせいでスリーメンが終わらないのだよ…!!」
メキメキと音を発てながら息を切らして黒子の頭を握る紫原に、同じく息を切らしている緑間
こうしてじゃれあいを始めることはあるが、らもあの試合からテツヤの練習に対して何も言わなくなった
「ったく、しょーがねーなあいつは」
「オラもう1本ー!!連続で決めねーと終わんねーぞ!!」
そんな感じで、テツヤの1軍加入により前よりも会話が増えた帝光バスケ部1軍の風景に、思わず笑顔がこぼれた
ずっとこんな風で居られたらいいのになと思いながら、この先の未来を思い出す
どうするべきかは目を逸らし、体力アップがずっと書かれていたテツヤの赤丸を消した