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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《1》

第15章 交流戦





「やる気はいいが黒子くん。1試合目と同じでは失敗するよ」

「…え?」

「パスの強さを修正する必要がある。1試合、パスのタイミングが会わなかったのは緊張していたからだけではない
2、3軍の動きの速さに合わせて出していたからだ
1軍の動きはもっと速い。パスは今までよりもう一歩早く出さなければ間に合わない
それともう1つ、存在感のある人とはどんな人だと思う?」

「?…明るい人とかでしょうか?」

「それもあるだろう。色々な要素があるから一言で表すのは難しいが、人をひきつける人物像として喜怒哀楽…感情が豊かなタイプがある
ミスディレクションはそれ単体ではフェイクと大差ない。キミのカゲの薄さがあってこそ初めて大きな力を発揮する
今の型を武器にするならば、カゲの薄さも意識してある程度コントロールすべきだ 」


征十郎はテツヤの胸元に人差し指を置く


「そのコントロールの1つとして感情は極力表に出さないこと、闘志は必要だ。だかそれは秘めろ」


征十郎の言葉で彼も気が付いたのか、深呼吸をするテツヤ。先ほどまでのやる気ある顔はどこか行き、見慣れていた無表情の黒子テツヤが現れる

そんな彼の姿を見て紫原は目を擦り、青峰は目を見開いている


「わかりました」


そこからようやくテツヤの本領発揮が始まり、緑間に紫原に灰崎が目を見開いて驚いている

そのパスにより緑間へとボールが繋がり、得意の3Pシュートを決める


「な…え…な…っ何が起きた今!?」

「ボールが曲がっ…曲げたのか!?」

「わかんねー見逃したぁ!?」


会場が一気にざわつく。そんな反応に対して征十郎に青峰、あたしは視線を合わせてニッといたずらが成功した子供のように笑った

動きを繰り返して行くうちに紫原と緑間はテツヤがパスしているのだと気づいたのだろう

2人は目を見開いて驚き、帝光はどんどん点差を広げていく

その様子を見た虹村先輩にコーチは、どこか驚きながらも平然とした表情を貫いていた


『よし、勝った』


最終的に55対71と点差が無いに等しかった状態から引き離すことに成功する。観客席ではあの言葉が聞こえた


「帝光には幻の6人目がいる」


誰が言ったかは分からないが、そこから後に帝光を語るとき必ず囁かれることになるのだろう

こうして交流戦は無事に終わった






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