第13章 彼の誕生日と
『とりあえず部室まで一緒に行こう!ね!』
「…別に良いけど、テメーどうしたんだ?」
『良いから早く!虹村先輩直伝の三角絞めかけるよ!』
「おい苗字、それ中学生以下禁止だからほどほどにな…まっどうなろうと知らねえけど」
虹村先輩が最後にボソッと言っていた言葉はちゃんと聞こえていた
そもそも中学生以下禁止の技なのであればなぜ教えて来たのかと思ったシメられそうなのでが突っ込まないで置く
「ほら、行くんだったらちんたらしてねえで行くぞチビ」
『チ…!?』
「ほら行くぞ」
確かに彼らに比べたらチビかもしれないが…と考えていると、灰崎はあたしの首根っこを掴み進み出す
半分引きずられているような状態で猫じゃないんだけども、今この場を逃げきるには仕方ないかと考えた
いや仕方なくない。猫のように扱われるのは嫌だと考える。だったら犬のように首輪をつけられて歩く方がとも考えるがどちらにしろ嫌だ
「…苗字」
『はい?』
「テメー、マゾなのか?」
『断じて違います』
「首輪っつーのは?」
『犬の話!』
口に出ていたのかあらぬ誤解をされてしまったようで全力で否定する
最終的にあたしは首根っこを掴まれたまま部室に行き、珍しく征十郎を置いて帰った