第13章 彼の誕生日と
第三者side
「青峰君見える!?」
「あー、苗字の姿は見えっけど相手の顔は見えねーな、でもそんな背高くねえし黒髪だぜ」
「えー誰だろ虹村さんとか?」
「だったら後ろ姿で分かんだろ」
そんな彼女から離れた席には桃井と青峰の姿が座っている
元々は青峰がバッシュを買いたいと言っていたので桃井と青峰で買い物に来ていたのだが、苗字が男の人と歩いているのを発見して尾行することになった
ただ一緒に出掛けているだけなのだがもう彼氏だと思い込んでいる桃井はなんとか顔を見ようとするがいまいち上手くいかない
「名前ちゃん、彼氏がいるなら教えてくれてもいいのになあ」
「そういう話しておもしれーのか」
「私はカッコいいとか思う人いないけど、あっちゃんとかはよく話してるよ」
「ふーん」
青峰は興味なさそうに彼の好きなテリヤキバーガーを食べる。桃井もうまく見えない男の顔を想像しながらシェイクを飲んだ
桃井が青峰としばらく話していると苗字のことを忘れて話してしまう
「あ!」
思い出して彼女の方を向くが既に席には姿がない。出入口のところでちょうど出ていくところだった
「青峰君!名前ちゃん行っちゃう!行くよ!」
「ああ?まだ飲み物残ってんだけど」
「急いで飲んで!」
出ていった苗字を追い青峰を引っ張って出ていく
そんな彼女のやり取りも周りから見れば十分カップルに見えるだろうが、桃井はそれに気づかないまま苗字であろう影を追いかけた