第13章 彼の誕生日と
「あ、戻った」
『え?』
「ほれ」
再度高尾が鏡を貸してくれる。目の色はオレンジ色から元の日本人に多い色に戻っていた
本当に何なんだろうと疑問に思うが悩んだところで答えが出ないのは知っているし、その答えを知りたいとは思わない
バニラシェイクの中身がなくなり、ズコーっと気の抜ける音がする
「とりあえずさ、プレゼント考えようぜ」
『もうヤケクソで女装用の服でもあげようかな』
「じょそ、ブハッ!」
あたしの提案に爆笑しだす高尾。そんなのあげたらさすがに怒られるのは知っている
でも征十郎って背はバスケ部の中で低い方だし、それに童顔だからむしろ似合うんじゃないかと思う。だがそうなるとカチューシャが似合う高尾も女装いけるかも
という考えからキセキの世代と黒子とか、高尾とか全員女装が似合いそうだなと思い8人が女装している所を想像してみる
一部を除いてかなりの美人になる気がした
『…あたしより美人かもしれない。精神的にやられそうだからやめとく』
「ブハッ!てか誕生日にそんなんもらっても困んだろ!」
『ヤケクソだから本気ではないよ』
とりあえず腹ごしらえもしたからと高尾と荷物を持ち外に出る。混んでいたお昼時から少し外れたせいか、人が少なくなっていた
「名前ちゃん、次はどこ行く?」
『んー、高尾の妹と行ったショッピングモールかな』
「りょーかい!」
そうしてマジバを後にし、高尾と一緒に歩き出す
隣りに立つ彼の背がいつも隣を歩く人物と同じくらいだからか、なぜだか落ち着ける気がした