第13章 彼の誕生日と
『えっと…』
「うーっす!名前ちゃん!こっちこっちー!」
『あ、いた』
ようやく訪れたオフの日、呼ばれた方に顔を向けるとそこには今日約束してる相手、赤いカチューシャを身に付けている高尾が居た
なぜかと言うと高尾と遊ぼう遊ぼう誘われ、行きたい行きたい返していたがなかなか予定が会わず、たまたま今日お互いオフだったから
そして誕生日プレゼントを買いたいと高尾とのメールの時に言ったら、手伝ってくれると言ってくれたため今回のお出かけに至る
「おはよ名前ちゃん」
『おはよ高尾今日はありがとね』
「良いってことよ!ほら、この間妹も助けてもらったしー?」
『いや…あれ実はさ…』
高尾の妹を助けたのではなく、助けてもらったのだとあの日あった出来事をそのまま説明する。転んだと言ったところでまず爆笑し、その次に絆創膏を貰ったところでまた爆笑された
さらにお礼すると言ったら頼まれたのが例の事だ。と説明すると再び爆笑されて、すべて話し終えるときに高尾はお腹を痛がっていた
「ちょっ、名前ちゃんマジおもしれー」
『それ軽く貶してない?そんな面白いかなあこの話』
「気のせいだしめっちゃおもしれー」
『はぁ…とりあえず、行こっか』
適当に歩き出し、駅から近いお店を見ていく。征十郎の欲しいものなんてあるのか、なんか何でも手に入ってそうなイメージがあるんだと色々なものを見ながら脳内で征十郎に合わせていく
「そのお相手っつーのは何が好きなの?」
『…湯豆腐?』
「食べ物だよな?それ」
『将棋、囲碁、チェスとか?』
「他には?」
『バスケ』
「バスケ以外年寄りみてーだな」
『否定できないなあ』
確かに将棋、囲碁、チェスと湯豆腐が好きってところで大人びていると分かる部分はある
でも年寄りみたいって言ったら今の彼は温厚だが、いずれ現れる彼ならハサミを突きつけてくるか、冷めた目で笑われるそうだ
未だ信じられない彼の未来の行いを思い出しながらお店を回った