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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第45章 里帰り$


受け身の体勢が取れない。

足場にしようにも、近くの崖までは距離がある。



俺は鬼狩り以外の場所で死ぬのか……

白藤の目の前で……



「義勇さん!!」



白藤が声を上げる。

伸ばされた手は空を切る。

そう思った、が…



「血鬼術・魅了!」



目の前に居た白藤の姿が一瞬にして変わる。

普段は相手に幻術を見せる技だが、今回白藤は自分の体自体を変化させた。

そう、彼女は自らの意思で技を進化させたのだ。



瞬き一度の間に、彼女は冨岡と同じく柱の一角を担っている宇髄天元に姿を変え、冨岡の腕を掴むと勢いよく体の向きを転換させた。



ガッ、ぐるん。



冨岡を対岸に投げ飛ばし、術を解く。

高さからして人が落ちた場合は即死でも、鬼である私ならば助かる見込みはある。


鬼は首を斬られない限り死なない。


あ、でも陽光に当たったらまずいかも……


でも、これが今生の別れになっても、

彼が無事なら、私は後悔しない。



「生きて…」



白藤はそのまま崖下に吸い込まれていった。




-了-

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