第80章 家族の形$ 其の二
姉を差し置いて、私が幸せになっていいのだろうか?
彼以上に好きになれる異性を見つけられるだろうか?
今目の前にいる彼となら、もしかしたら……
ずっと抱えていたしのぶの胸の内の枷がほんの少しだけ軽くなった気がした。
人並みの幸せというものを、手に入れても良いのだろうか?
鋼鐵塚がしのぶの手を掴み、引き寄せる。
「何でもかんでも背負い込むな。話くらいきいてやるから、そんな顔すんなよ……」
今にも泣き出しそうな彼女の顔を見て、鋼鐵塚はしのぶの髪を撫でてやる。
その温もりが、心地良くて……
「蛍さん、聞いてくれますか……?」
「勿論だ……」
「私が眠るまで、傍に居てくれますか」
「ああ、安心するまでずっと、傍にいてやるよ」