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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第45章 里帰り$


「俺は未だに名字で呼ばれていて、何故師範を…」

「冨岡さん、顔を見せて頂いても?」

「見るな…」



頭の中がごちゃごちゃしていて。

いつもの凪のような平静さを保っていられない。


冨岡の横顔が朱に染まっている。

度々、不安そうにしている顔は見てきたが、こんな冨岡は初めて見る。



「すみません、気付かなくて。その…笑わないで聞いて下さいますか?」

「?」



笑う?



「昔から呼べないんです。左近次様を名字で呼ぼうとすると舌を噛んでしまって…どうしても、鱗だゃき様になってしまうので…///」

「………」

「あの、冨岡さん?」

「ふっ…」



しばらく押し黙っていた冨岡が堪えきれないといった風に笑い出す。



「今笑わないでって言ったじゃないですか…」



不満気にぷぅと頬を膨らませる。



「すまん…」

「もぅ。…ようやく、こちらを向いて下さいましたね」



冨岡さんの深みのある青い瞳が私を写す。

ちゅっ、と自分から冨岡の唇に口付けをする。



「不安にさせてしまってすみませんでした。でも、ちょっとだけ嬉しいです。冨岡さんの焼きもち」



焼きもち?とは確か嫉妬のことで…

嫉妬?


では俺は今まで師範に嫉妬していたのか?



「白藤…」

「何ですか?」


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