第4章 遊郭潜入大作戦$(冨岡裏)
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「初見世(はつみせ)だよー、寄っといておくれー!」
赤障子の隙間からなめまかしく腕を伸ばす。
腕を力強く引かれた女郎は、腕を引いた相手と閨を共にする。
これで、今日の客が決まるのだ。
白藤も腕を引かれた。
さて、どんな客なのやら……
「やっと、見つけた……」
その声に。
「冨岡さん?」
名を呼んでから、ハッとした。
顔見知りと気づかれてはいけないのではないかと。
とりあえず、部屋へ冨岡を通し、二人になったところで。
「どうしてここに冨岡さんが…?」
食事の膳を用意しながら、冨岡に問いかけた。
「蝶屋敷でお前と宇髄が言い争っているのを聞いて」
え?居たの?
あの場に。
見てたなら仲裁して欲しかったのに。
と言うか、鬼より気配消すのが上手いのでは無いだろうか、この男。
「お前まで、任務に連れていくと言うから……」
もしかして……
「心配して来てくれたのですか?」