第4章 遊郭潜入大作戦$(冨岡裏)
「その必要はなかったようだがな…」
さっきの宇髄との息の合ったやり取りを見るに。
「嬉しいです。でも、冨岡さんの任務は?」
「さっき、鴉から宇髄との合同任務になったと指令が来た」
「では、遠慮は要りませんね」
クスクスと口許を袖で隠して笑う。
女郎の仕草は、先程客を取っていた女達を見て覚えた。
「何がだ?」
「お食事が終わってから、お話しますね?」
含み笑いをする白藤。
「にしても、広いな。ここは」
冨岡は、部屋全体に視線を巡らせる。
「まあ、芸事をお見せすることもありますからね」
「お前も何かするのか?」
「一応琴くらいは弾けますが……」
部屋の奥にある、楽器のいくつかを見て、彼女は答えた。
「なら、弾いてみてくれ」
「……分かりました」
シャラン。
専用の爪を付け、白藤が琴を爪弾いていく。