第4章 遊郭潜入大作戦$(冨岡裏)
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藤の花の家紋の家。
結局白藤の案内でたどり着いた新人三人は全員座敷に集められて正座させられている。
家人たちに偉そうに何かを指図する宇髄。
そうして、ようやく三人の前に腰を落ち着けた宇髄が。
「遊郭に潜入したらまず俺の嫁を探せ。俺も鬼の情報探るから」
「とんでもねぇ話だ!!」
『嫁』という単語に善逸が過剰に反応した。
「あ"あ?」
当然、話の腰を折られた宇髄の機嫌が悪くなる。
「ふざけないでいただきたい。自分の個人的な嫁探しに部下を使うとは!!」
善逸が宇髄に抗議する。
確かに、事情を分からない者からすれば、宇髄の説明には頭が追いつかないだろう。
「はあ?何勘違いしてやがる」
「いいや、言わせてもらおう。アンタみたいに奇妙奇天烈な奴はモテないでしょうとも!!だがしかし!!鬼殺隊員である俺たちをアンタ嫁が欲しいからって…」
「馬ァ鹿かテメェ!!俺の嫁が遊郭に潜入して鬼の情報収集に励んでたんだよ!!定期連絡が途絶えたから俺も行くんだっての」
新人三人の顔に戦慄が走るのを他所に、白藤は一人合点がいった。
だから、彼は急いでいたのか。