第78章 燃ゆる想いを$(冨岡裏)
「とりあえず、今日は温泉入って行ったら?」
まきをの提案に、須磨も賛成と手を挙げる。
「ですが……それでは」
「赤ん坊が居るのはお互い一緒だろ?なんなら離れに泊まっていくか?」
離れという言葉に白藤よりも冨岡の心が揺らぐ。
友人の家で事に及ぶのは不謹慎だろうが、相手も相手で、場所も場所であるからして……
温泉、泊まり、離れ……
冨岡の脳内に煩悩(色欲)という名の本能が過ぎる。
理性とせめぎ合いをしながら、あわよくばと自身が反応しそうになるのを凪の精神で乗り切ろうとする。
「冨岡?何一人で百面相してるんだ?」
「別に……///」
「温泉……」
判断に迷っている白藤に雛鶴が声をかける。
「赤ん坊の沐浴は天元様達に任せて、私達で先に入りましょう?」
「そんな贅沢」
「行って来たらいい」
「義勇さん?」
「たまにはのんびり浸かるといい。宇髄、沐浴のさせ方を教えてくれ」
「おっ、やる気だな、良いぜ。俺が教えてやるよ」