第76章 契りて繋がる縁たち$(冨岡裏)
「お疲れの様ですけど、何かありましたか?」
「部屋でゆっくり話そう」
「はい」
離れにて、義勇と食膳の前に座る。
「白藤。これは?」
「私も流石にやり過ぎだと思っていたのですが……女将が……」
食膳の内容はこうだ。
鰻重、胡瓜の漬物、浅利の味噌汁、鶏肉の香草焼き。
目出度いからこその鰻だと思いたいのだが、隣に置いてある酒瓶に蝮の文字が入っているのを見て、もしかしなくてもそういうことかと勘ぐってしまう。
白藤の食膳には鰻重は無いが代わりに白米と……
「イモリの黒焼き……?」
「この見た目で他に思い当たりませんよね…」
それに、イモリ三匹て多くないですか?
「無理に食べることは無いと思うが……」
「まあ、そうですけど……義勇さんは祝言の前と後のどちらが……いえ、何でも……///」
「………俺は相手が白藤ならいつでも構わないが、鬼の時と違って、その……孕み易くなっているだろう?………負担をかけて、しまう……のではと……///」
「………////とりあえず、食べましょうか。食べれそうなものだけでも……」
「そうだな……」