第76章 契りて繋がる縁たち$(冨岡裏)
「いや、そういう…訳では……」
初笑顔という急なイケメンオーラが眩しいだけとは言えない。
「とにかく!祝言だろ!!もう二組とも同じ日に挙げちまったらどうだ?」
空気を変えてくれたのは、宇髄の発言だった。
やはり彼は頼りになる男だと伊黒が顔を上げた時だった。
「一緒に挙げちゃって良いの!!白藤ちゃんと!?嬉しい!!ね、伊黒さん!!」
「へぶっ!!」
嬉しさ満開の甘露寺に抱きつかれて、乳房で窒息した。
「甘露寺さん、落ち着いてください」
「しのぶちゃん」
「未来の旦那さんが気絶してますよ」
「え?伊黒さーん!!」
「この先大丈夫かよォ、コイツ」
「絶対尻に敷かれるよな」
「いや、乳に敷かれるだろう!!」
「「上手いこと言うな」」
と、そんなこんなで、バタバタとした柱合会議は終わりを告げ、同じ日に伊黒と甘露寺も祝言を挙げる段取りが付いたのだ。
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「義勇さん。お帰りなさい」
「ただいま」
藤の屋敷で白藤が出迎えてくれる。
それだけで嬉しい。