第72章 乞い願う、光を求めて
「笑わせるな、神などいない!!」
「私の目には見えるのです!見鬼の才を持つ神道の母の力を継いだ藤の目には!」
「見鬼の才?」
耳慣れない言葉に炭治郎は首を傾げる。
「妖、物の怪、魑魅魍魎の類から貴方様の負を払う任を私は担っておりました……」
「龍神……?私に、加護……?ならば何故……何故私はお前を……」
舞山の身体が震え出す。
「……私が未熟であった為です。選んだのは私自身……お戻りください、舞山様」
「……っ」
この手をずっと待ち侘びていた。
だから、避け続けていた。
藤の花を……ーー