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鬼滅の刃R18 藤の花嫁

第71章 向かう白、揺蕩う藤色


「ところで伊黒。この近くで白藤を見なかったか?」

「さてな。俺は甘露寺とお前にしか会っていない」

「甘露寺は?」

「私も伊黒さんに会うまで誰とも……あれ?」

「どうした?」

「私、琵琶の鬼を追いかけてて、途中の通路で見かけた気がする……」



あれは、確かに白藤だったはずである。


でも、彼女の傍にいたのは冨岡ではなく、紫暗色の着物を纏った武士だった。


甘露寺の発言に二人共、とても驚いた表情を見せる。



「マジか!?誰だよそいつ!!」

「えぇっ、知らないですって!私も聞きたいですよ!!」



このままでは埒が明かないので、伊黒が宇髄を問いただす。



「宇髄……それはともかく。何で今白藤なんだ?」

「御館様と一緒に爆発に巻き込まれた、ひなき様とにちか様はまだ息があった。間に合うようなら連れてきてくれと煉獄の父君からのお達しだよ」

「槇寿郎様がこちらにいらっしゃるのね」

「酒浸りだったはずだが……刀は振れるのか?」

「あぁ、心配要らねぇよ。さっき見事な大立ち回りしてたからな」

「ほう……」


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