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鬼滅の刃R18 藤の花嫁(冨岡夢)

第70章 咲くは朱なれど散るは白


「炭治郎……」

「冨岡さんは……白藤さんがこのまま死んでしまったらって、考えないんですか…!!」

「考えた……でも、このままでは他人を傷つけてしまう。そうなれば白藤本人が一番辛くなる……それを俺は知っている……」


近くで見てきた。

他人のことで一喜一憂し、その度に彼女は力が足りないと自身を責めていた。


そんな彼女に惹かれた。

冨岡が自分から誰かを『助けたい』と思ったのは、白藤が初めてだった。


任務の時であっても、その場にいる人を助けるという認識しかなく、一個人だけを護るという固執は無かった。


「俺は……白藤さんが好きでした。彼女の笑顔が好きだったから……でも、その笑顔は……みんな貴方に向けられるもので、それがとても悔しかった……」


分かっている。

これはただの嫉妬だ。


「俺の事も、見ていて欲しかった……」


それが、紛れもない望みだった。


「……何故だ……?」


小娘も、炭治郎も私の手駒にしていたはずなのに……


「蘆屋道満。白藤が欠けた時点でお前の企みは潰えた。このまま調伏してやる!」

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