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鬼滅の刃R18 藤の花嫁(冨岡夢)

第70章 咲くは朱なれど散るは白


「……起きたら、二人で……祝言を、あげよう……」


彼女には、もう聞こえていないかもしれないが。

俺が、そうしたいのだ。


「………冨岡さ……」

「胡蝶。白藤を、安全な場所へ……」

「良いんですか?」


彼女がそのまま、灰になるかもしれないのに。


「白藤は寝ているだけだ。後で起こす」


冨岡が胡蝶に白藤の頸と体を預け、身を翻す。


胡蝶が丁寧に彼女の体を寝かせ、首を元の位置に。


穏やかな、寝顔だ。


祝言の夢を見ているのかもしれないと思うほどに。

本当に。

そう、まるで……


「藤の花嫁のようだ……」

「煉獄……?」

「宇髄。俺は失恋したようだ……」


涙を堪える煉獄の肩に手をやって、宇髄は呟いた。


「安心しろ。お前だけじゃねぇよ、アイツ狙ってたのは……」

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