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鬼滅の刃R18 藤の花嫁(冨岡夢)

第70章 咲くは朱なれど散るは白


暖かい……


頬に落ちてきた温かい雫で私は現実へ引き戻された。


「義、勇……さん……」

「……白藤」

「そんな、に……泣い……どうし……?」



あれ?

体が、動かない……



彼が泣いているのに、指一本すら動かせない。

あぁ、やはり血鬼術の使い過ぎか……



「義勇、さん……私、無理……し過ぎ……みた……で……眠……です」

「……あれほど、無理は……するなと……」

「ごめ……なさ……起き、たら……二人で……」


私が起きたら、きっともう、全てが終わっていて。

いつもの様に、貴方が遅いぞと笑ってくれるのでしょう。


私は貴方の手を取って、すみませんて笑いながら髪を撫でて貰って。


それから、優しく抱きしめてもらうの。


義勇さんの腕の中は、すごく居心地が良いから、私はすぐに眠くなってしまうの……


「……二人で、何が、したい……?休暇を、取って、何処かに……」


彼女は、眠ったようだ。


「………白藤?」


幸せそうに、微笑んでいるようにさえ見えるその寝顔は……

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