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鬼滅の刃R18 藤の花嫁(冨岡夢)

第70章 咲くは朱なれど散るは白


あぁ、疲れた。

このまま眠ってしまいたいけれど……


ここは、何処かしら?


薄暗い回廊を宛もなく歩いていた彼女は、ふと疑問に思った。


ここはとても静かで寂しい場所だ。


どこへ向かえば、出られるのか皆目見当が付かない。


そもそも、行く宛てなどあっただろうか?


音も人の気配もしない、空虚な世界。


「………」


誰か、来ないかな……


その場に座り込んだが何の気配もしないため、自分の心音だけが響いていた。


しばらくじっとしていたけれど、もう、待つのにも疲れてしまった。


起き上がる気力も無くなって、彼女はそのまま目を閉じた。


『………!!』


遠くで誰かに呼ばれた気がしたが、足も手も動かない。


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