第70章 咲くは朱なれど散るは白
煉獄家の炎は『浄化の炎』。
魔と穢れを払い、炎で清める。
杏寿郎は静かに、息を吐く。
次の瞬間、疾風の如く移動を開始する。
父上が言っていた通りならば……
「炎の呼吸 伍ノ型 改 炎虎 跳梁跋扈!!」
この場を炎で満たせば……
「お前は、やる事派手だな」
「何か言ったか?」
「んにゃ、改めて最高な味方だと思っただけだ!!」
「宇髄……?」
こいつとこいつの親父とじゃあ、纏う雰囲気が違うのに、今この瞬間だけは同じ背中に見えたなんて、俺も地味に感傷に浸っちまったな。
「煉獄、その調子で派手にぶちかませ!!」
「あぁ!任された!!」