第70章 咲くは朱なれど散るは白
「おっさん、もう一回だ!」
嘴平の気持ちも分かるが、考え無しに突っ込むのは危険だと、忍の直感が警鐘を鳴らしている。
「伊之助!!まだ駄目だ!!」
「止めんな、炭治郎!!今あの野郎を始末しなきゃ、ならねーんだ!!」
「神降ろしでも出来れば……でも、ここにそんな術者は……」
「白藤さん?」
「炭治郎、君……」
以前、ヒノカミ神楽は竈に宿るとされる火の神に捧げる舞だと彼から聞いた。
真言と神楽で神を降臨させられたなら……
「炭治郎君、ヒノカミ神楽を舞えますか?」
「え?」
何故、今ヒノカミ神楽の名が出るのかは分からない。
でも、彼女が口に出すということは……
「……出来ます」