第70章 咲くは朱なれど散るは白
呼び出した神に舞を奉納する役を炭治郎に。
「炭治郎!!」
「お兄ちゃん!!」
「カナヲ!!禰豆子!!」
後は祭壇の代わりと巫(かんなぎ)。
酒は傷の消毒用に宇髄さんが常備していたはず。
供物は最悪、私の身体で構わない。
祓えの弓はこの場に無い。
長く大きくしなる物など……
甘露寺様の刀!!
しなる度に音が鳴るはず。
太鼓の代わりに、『雷』を。
榊の代わりに『花』を。
神託を請ける巫は、禰豆子に。
あとは……
「舞山様!どうか、私の手をお取りください!!その男の……蘆屋道満の言いなりになってはいけません!!」
巫力の殆ど無い私でも、半人半鬼だからこそ、形代の代わりに成れるはず!
「端女(はしため)風情が!余計な真似を!!」
「白藤!!」
道満の呪文が途切れた。