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鬼滅の刃R18 藤の花嫁(冨岡夢)

第70章 咲くは朱なれど散るは白


安易に刺激してはいけない。



キインッ。



不死川の刀が弾かれる。


おいおい、ただの紙切れじゃねぇってことか?


それでも刀を手放さないよう、動くのはやはり柱と言うべきだろう。


不死川の身体が引きちぎられていないことに安堵しながら、白藤は一つ息をつく。


「ちっ!!」


一方で、宇髄は舌打ちする。


攻撃としては有効打を狙える機会だったし、爆薬も仕込んで、術者の集中力を逸らせると考えていたのに……


術者を直接叩くことが難しい今、何が最優先か。


ふと、宇髄の視線が捉えたのは、人型の紙片。


先程、白藤が『式』と呼んだ紙片は円を描く様に旋回している。


数は三枚に増えているが、術者の思うままに動くというのが厄介だ。


先程も不死川の斬撃を弾いていたし、ただの紙片ではないことは明らかである。

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