第9章 彼との休日§
「………」
眠い。
というか、身体はこれ以上動かせそうにもない……
折角、秀一に会いに来たのに……
「おや?こんな所でどうしました?」
「会いに、来たのよ……」
そう言い残して、翼の意識は遠のいた。
この美人なお姉さんは誰なのかとか色々突っ込みたい所はあるのだが、ここの屋敷の関係者ではない彼としては確認の仕様がないのも事実なのだ。
というのも、ひょんなことから工藤邸の留守番を仰せつかった超話題の変装名人こと、稀代の大泥棒怪盗キッドは途方に暮れた。
客人が来るとは聞かされていないし、もし来るようなら一報が来る手筈になっていたのだ。
見覚えのある人物たちの中に彼女がいた覚えは無いし、けれども此処に来る以上、誰かの関係者であることに間違いは無いはずだ。
「さて、一体この眠り姫は誰のお客様なのかな?」
そう言って彼は寝室に彼女を寝かしつけ、様子を観察することにした。