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短編ごった煮

第14章 成り行きティータイム/ユーリ(TOW2)


一向に遠慮と言う二文字を見せる素振りもせずクッキーを平らげていくユーリに呆れつつも私もクッキーへと手をのばす。
なんだよ結局お前も食うんじゃねぇかとほざくユーリを殴ってもいいでしょうか。
いいですよね。

「よくねーよ。というかそんなこと本人に聞くな」
「口に出てたのか。しまったしまった」
「なんて顔してないぞ」
「まあわざとだし」
「おま、……いい性格してるな」
「そりゃどーも。……ん、このクッキーおいしー!」

自画自賛かよ、とユーリから聞こえたが知らないふりをしておき、食器棚からティーカップを二つ取り出した。
そして手早く準備をしてティーカップの中に紅茶を煎れていく。
ユーリはその一連の動作を無言で、しかしクッキーをつまむ手と咀嚼は忘れず見ていたが、目の前に差し出されたティーカップにようやく食べる以外で口を開いた。

「おいおい、んな気ぃつかわなくても。俺はつまむ程度にしか食わないぜ」
「それだけ食べておいて何を言うか」
「……まあ確かにちょっとばかし量は減ったが」
「ちょっとどころか半分ね。もういっそのこと全部食べちゃおうかと思って」
「本格的にティータイムの準備ってか。ありがてぇけどいいのかよ?リールのために作ったもんだろ」
「また作ればいいだけの話だしね」
「ま、それもそうか」
「そこであっさり納得するのか」
「まあな。俺としちゃ、こいつら食いたいし」

ああそう、ともはや笑いしか出てこない。
むしろそこまで気に入ってもらって光栄である。
歳は私とたいして変わらないだろうに、クッキーをくわえながらもう一枚へと手をのばす様はまるで子供のようだといっそ微笑ましい。
と、親が我が子を見守るような慈愛に満ちた眼差しを向けたら無言で睨まれてしまった。おおこわい。
取り繕うように笑顔だけ浮かべておいて、煎れたての紅茶へと口を付けた。
うむ、紅茶も大変美味しゅうございます。





成り行きティータイム
「さぁて、食べ終わったらまたクッキー作らなきゃだなぁ。リールの分」
「また同じもんを作るのか?」
「あー、次はチョコチップとスノーボール作ろうかなって」
「そっか、味見なら俺にまかせ」
「ないからね」
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